停留所で一休み
「初めてお会いした時からそうだったけど、本村さんが出海の事を話す時は、いつも楽しそうだったものね。」

「ははは……そう、ですかね。」

母からそう言う事を言われると、あいつに言われるよりも照れる。


「同級生って言ってたわね。いつぐらいから、出海の事を?」

あいつは、私の方を向いた。

「お母さん。本村君、困ってるでしょうよ。」

私が母に言い寄ろうとした瞬間、水をやるホースが手を離れ、目の前で暴れた。

それを追いかけて、二人の元を離れた時だ。

母と、本村君の会話が聞こえてきた。


「たぶん、小学生ぐらいの時からだと思います。」

「その割には、出海は本村さんの事、あまり覚えていないのね。」
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