停留所で一休み
「いつ行くか決まったの?」

「まあ、大体は。」

私も本村君も、もうここからいなくなる。

ちょっとだけ、寂しくなった。

「じゃあ、もしかしたら東京のどこかで、会うこともあるんだろうね。」

あいつは、キョトンとしている。

「あのさ…」

「その時は私だからって、無視しないでよ。」

私はあいつの話を遮った。


やっと仲良くなれたのに。

あいつも東京に行くというのに。

いくら狭いって言っても、あれだけ人口が多ければ、会えるわけないだろう?

分かりきっているけれど、その言葉をあいつからは聞きたくなかった。


「えっ……あ…うん。」

とりあえずあいつは、うんと言ってくれた。

「その時まで、お互い頑張ろうね!」
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