停留所で一休み
会わせたい人ね……

西村部長の他にも、誰か来ているのかな。

何となく、嫌な予感がする。


それはともかく、早く準備しないと。

私は急いで、自分の席に戻った。

「名刺、名刺……」

私は自分の机の引き出しを見たが、一枚も名刺がない。

「あ!そう言えば……」

辞めるつもりだったから、松下君に捨ててって頼んだんだっけ。


「松下君。」

「はい。」

息をゴクンと飲みこんで、松下君を見た。

「私の名刺……捨てちゃったよね。」

まさか松下君が、捨て忘れる……

そんな訳ないか!


その時だった。

「はい、係長。」

ケースに入った名刺を、松下君が私の前に差し出してくれた。

「これ……」
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