停留所で一休み
さり気ない、一香のボヤキに、そうだろうなと思う。

だって私の膝の上で、一弥は既に飛んだり跳ねたりして、大人しく座っていない。

我が妹ながら、気の毒になってしまった。


その時、母が庭の手入れから戻ってきた。

「あ~ら、随分賑やかだと思ったら。一弥ちゃん達来てたのね。」

「お祖母ちゃん!!」

母の顔を見た途端、一弥は私をそのままにして、母目がけて走りだす。


「さっきまでおばちゃん、おばちゃん言ってたのに!」

私はちょっと、母にジェラシー。

「要するに、誰でもいいのよ。」

一香は、テーブルにあったお漬物を、いつの間にか食べている。

「何でそんな、悲しい事言うのよ。」

「子供なんて、そんなモノでしょ。」

元気いっぱいの一弥が、母の元へ行って、少し安心したのか一香は、今度和香の顔を見だした。


「そう言えば、一香。三人目ができたって話はどうなったの?」

母親がなにげなく、聞いてきた。
< 66 / 224 >

この作品をシェア

pagetop