ハイスペックなイケメン部長はオタク女子に夢中(完)
17.ここはどこ?
頭痛と喉の渇きを覚え、眠たい目をこすりながら、あやめは起き上がった。いつものようにベッドから下りてキッチンの冷蔵庫に水を取りに行こうと思い、開かない目を何とか開け、あやめは一気に目が冷めた。
「…ここ、どこ?」あやめの部屋ではないことは明らかだ。痛い頭を抑えながら、昨夜のことを思い出そうとした。たしかコンペの打ち上げで、居酒屋で鍋を食べて…二次会に行くって話で…??二次会、行ったんだっけ???やばい記憶がない…。周りを見渡すと、ここはホテルではなく、明らかに誰かの家だ。でも、誰の家?誰かに迷惑をかけたことは間違いなさそうだ。ハッとして自分の格好を見て、大丈夫。服は昨日のままだ。誰かがコートは脱がせてくれたようだ。携帯で時間を確認すると朝の6時。今日が休日で良かった…と心底思いながら、にしてもここは一体誰の部屋なんだろう…と改めて見渡した。大きなベッドとクローゼットに木目のきれいなサイドチェスト。とてもシンプルな部屋だ。ベッドを下りて、ドアを開けてみる勇気はまだ無く、隣の壁の窓にかかっている黒いカーテンを少しだけそっと開けてみた。まだ外は薄暗いが、結構高層階にあるようだ。まだ6時だし、もう少しベッドをお借りして眠っていた方が良いのだろうか?というか、この扉を開けた向こう側に誰が居るのか…考えるのが怖かった。どうしよう…とその場に座り込んでいると、突然ジリリリリリリリリと大きな音が鳴り出した。あやめはビクッとしながら、その場に動けずに居ると、扉の向こうからパタパタと慌てた足音が聞こえた。あ、と思った瞬間には扉が開き、男性が入ってきて慌てた様子でサイトチェストの中の目覚まし時計を止めた。ベッドを見て、人が居ないことに気づいた様で、
「え?いない?」と言いながら、探している様子だ。座り込んでしまったせいで、ベッドの陰に隠れてしまい、あやめの姿が見えないようだった。あやめが、今の声って…と考えていると、突然パチンと電気がついた。視界に飛び込んできた男性の姿に思わず
「あ」と声を出してしまったあやめに、
「そんなところにいたのか。ごめん。驚かせて。目覚まし切るの忘れてた。大丈夫だった?」と北見が手を差し伸べた。あやめは状況が掴めず、座り込んだまま、とりあえず、北見の部屋だということを理解して
「申し訳ありません。」とその場で正座をして土下座した。北見は突然のあやめの行動に驚いたようで、
「えっと、吉田さん?とりあえず、頭あげようか」と言った。あやめはまだ頭を上げられずに居た。近づいてくる足音に、目の前まで北見が来たことを理解すると、
「いや、まじで。頭あげて。」とすぐ近くで北見の声がする。それでも頭を上げずに居ると、
「吉田さん?起きてる?それとも今度はそんな体制で寝落ち?」と北見が言った。今度はってことは、昨日寝落ちしたのか…と理解したあやめが仕方なくゆっくり頭を上げると、寝起きで呆れ顔の北見がふと笑い、
「喉乾いてない?水持ってくるからベッドにでも座ってて。」と言い、部屋を出ていった。あやめは、どうして北見の部屋にお世話になることになったのか、必死で考えようとしたが、全く思い出せない。考えれば考える程頭が痛く、恐らく二日酔いなのだろうが、ガンガンする頭を抱え、その場にうずくまっていると、ドアが開いてペットボトルを持った北見が入ってきた。あやめの様子を見て、
「そんなとこに座ってたら身体冷えるよ。」と言った。確かに寒いかも…と思いながらも動けずに居ると、北見が近づいてきて、
「何?昨日みたいに抱っこで運ばれたい?」と頭上で言った。あやめは思わず、エッと頭を上げ、至近距離の北見の顔に赤面し、大急ぎで立ち上がろうとすると、スッと出された北見の手に、おずおずとつかまった。立ち上がる瞬間、ガンガンと頭が響き、思わず顔をしかめながら頭を抑えると、
「やっぱり二日酔い。頭痛いでしょ。とりあえず、座って。」と言いながら北見はあやめをベッドに座らせると毛布を肩から被せ、水を手渡した。
「すみません。ありがとうございます。」とありがたくそのペットボトルを頂き、ゴクゴクと喉を潤すと、少しヒリヒリした感じがした。北見は、サイドチェストの引き出しをごそごそ探し、薬を見つけると、
「これ、効くから飲んどいたら」と渡してくれた。あやめは言われるままに薬を口に含むと、ペットボトルの水で流し込んだ。北見は、ドスッとあやめの隣に座り込みながら
「全く記憶がない感じ?」と聞いた。あやめが
「はい。申し訳ありません。」と答えると、
「どこから覚えてないの?」と聞かれ、あやめは少し考えて、
「二次会に行くぞって話はしてたと思うんですが…私は行ったんでしょうか?」と質問した。北見はフっと笑って、
「二次会には行かずにここに連れてきた。」と言った。あやめは、やっぱり行かなかったのかと思いながら、なんで北見宅に泊めてもらうことになったのか…そもそも、違うテーブルだったはず…と考えていると、
「くらもっちゃんとは仲良いの?」と突然聞かれた。何故今突然倉本の話が出てくるのか?不思議に思いながら、
「いえ。ほとんど話したことはありませんが。」と答えると、北見は
「私の倉本さんに馴れ馴れしく触らないでって、昨日酔っ払った吉田さんに言われたんだけど」と言った。あやめは赤面し、
「申し訳ありません。倉本さんは、、、私の憧れなんです。営業でバリバリ仕事出来て、堂々としてて、見た目もすごく綺麗なのに全然鼻にかけてないって言うか、自然体だし、優しいし…。」と言った。北見は面白そうに笑いながら、昨夜の状況を説明してくれた。どうやら二次会に行くと声がかかったときにはあやめはほとんど眠っていたらしい。椅子に座ったまま動かないあやめに、いち早く気がついた北見が声を掛けに行くと、先程の言葉を発して眠ってしまったらしい。家を知っていることもあり、何とか歩かせながら、タクシーに一緒に乗せたが、一向に起きる気配がなく、部屋番号がわからないことを思い出して、仕方なくココに連れてきてもらったようだ。
頭痛と喉の渇きを覚え、眠たい目をこすりながら、あやめは起き上がった。いつものようにベッドから下りてキッチンの冷蔵庫に水を取りに行こうと思い、開かない目を何とか開け、あやめは一気に目が冷めた。
「…ここ、どこ?」あやめの部屋ではないことは明らかだ。痛い頭を抑えながら、昨夜のことを思い出そうとした。たしかコンペの打ち上げで、居酒屋で鍋を食べて…二次会に行くって話で…??二次会、行ったんだっけ???やばい記憶がない…。周りを見渡すと、ここはホテルではなく、明らかに誰かの家だ。でも、誰の家?誰かに迷惑をかけたことは間違いなさそうだ。ハッとして自分の格好を見て、大丈夫。服は昨日のままだ。誰かがコートは脱がせてくれたようだ。携帯で時間を確認すると朝の6時。今日が休日で良かった…と心底思いながら、にしてもここは一体誰の部屋なんだろう…と改めて見渡した。大きなベッドとクローゼットに木目のきれいなサイドチェスト。とてもシンプルな部屋だ。ベッドを下りて、ドアを開けてみる勇気はまだ無く、隣の壁の窓にかかっている黒いカーテンを少しだけそっと開けてみた。まだ外は薄暗いが、結構高層階にあるようだ。まだ6時だし、もう少しベッドをお借りして眠っていた方が良いのだろうか?というか、この扉を開けた向こう側に誰が居るのか…考えるのが怖かった。どうしよう…とその場に座り込んでいると、突然ジリリリリリリリリと大きな音が鳴り出した。あやめはビクッとしながら、その場に動けずに居ると、扉の向こうからパタパタと慌てた足音が聞こえた。あ、と思った瞬間には扉が開き、男性が入ってきて慌てた様子でサイトチェストの中の目覚まし時計を止めた。ベッドを見て、人が居ないことに気づいた様で、
「え?いない?」と言いながら、探している様子だ。座り込んでしまったせいで、ベッドの陰に隠れてしまい、あやめの姿が見えないようだった。あやめが、今の声って…と考えていると、突然パチンと電気がついた。視界に飛び込んできた男性の姿に思わず
「あ」と声を出してしまったあやめに、
「そんなところにいたのか。ごめん。驚かせて。目覚まし切るの忘れてた。大丈夫だった?」と北見が手を差し伸べた。あやめは状況が掴めず、座り込んだまま、とりあえず、北見の部屋だということを理解して
「申し訳ありません。」とその場で正座をして土下座した。北見は突然のあやめの行動に驚いたようで、
「えっと、吉田さん?とりあえず、頭あげようか」と言った。あやめはまだ頭を上げられずに居た。近づいてくる足音に、目の前まで北見が来たことを理解すると、
「いや、まじで。頭あげて。」とすぐ近くで北見の声がする。それでも頭を上げずに居ると、
「吉田さん?起きてる?それとも今度はそんな体制で寝落ち?」と北見が言った。今度はってことは、昨日寝落ちしたのか…と理解したあやめが仕方なくゆっくり頭を上げると、寝起きで呆れ顔の北見がふと笑い、
「喉乾いてない?水持ってくるからベッドにでも座ってて。」と言い、部屋を出ていった。あやめは、どうして北見の部屋にお世話になることになったのか、必死で考えようとしたが、全く思い出せない。考えれば考える程頭が痛く、恐らく二日酔いなのだろうが、ガンガンする頭を抱え、その場にうずくまっていると、ドアが開いてペットボトルを持った北見が入ってきた。あやめの様子を見て、
「そんなとこに座ってたら身体冷えるよ。」と言った。確かに寒いかも…と思いながらも動けずに居ると、北見が近づいてきて、
「何?昨日みたいに抱っこで運ばれたい?」と頭上で言った。あやめは思わず、エッと頭を上げ、至近距離の北見の顔に赤面し、大急ぎで立ち上がろうとすると、スッと出された北見の手に、おずおずとつかまった。立ち上がる瞬間、ガンガンと頭が響き、思わず顔をしかめながら頭を抑えると、
「やっぱり二日酔い。頭痛いでしょ。とりあえず、座って。」と言いながら北見はあやめをベッドに座らせると毛布を肩から被せ、水を手渡した。
「すみません。ありがとうございます。」とありがたくそのペットボトルを頂き、ゴクゴクと喉を潤すと、少しヒリヒリした感じがした。北見は、サイドチェストの引き出しをごそごそ探し、薬を見つけると、
「これ、効くから飲んどいたら」と渡してくれた。あやめは言われるままに薬を口に含むと、ペットボトルの水で流し込んだ。北見は、ドスッとあやめの隣に座り込みながら
「全く記憶がない感じ?」と聞いた。あやめが
「はい。申し訳ありません。」と答えると、
「どこから覚えてないの?」と聞かれ、あやめは少し考えて、
「二次会に行くぞって話はしてたと思うんですが…私は行ったんでしょうか?」と質問した。北見はフっと笑って、
「二次会には行かずにここに連れてきた。」と言った。あやめは、やっぱり行かなかったのかと思いながら、なんで北見宅に泊めてもらうことになったのか…そもそも、違うテーブルだったはず…と考えていると、
「くらもっちゃんとは仲良いの?」と突然聞かれた。何故今突然倉本の話が出てくるのか?不思議に思いながら、
「いえ。ほとんど話したことはありませんが。」と答えると、北見は
「私の倉本さんに馴れ馴れしく触らないでって、昨日酔っ払った吉田さんに言われたんだけど」と言った。あやめは赤面し、
「申し訳ありません。倉本さんは、、、私の憧れなんです。営業でバリバリ仕事出来て、堂々としてて、見た目もすごく綺麗なのに全然鼻にかけてないって言うか、自然体だし、優しいし…。」と言った。北見は面白そうに笑いながら、昨夜の状況を説明してくれた。どうやら二次会に行くと声がかかったときにはあやめはほとんど眠っていたらしい。椅子に座ったまま動かないあやめに、いち早く気がついた北見が声を掛けに行くと、先程の言葉を発して眠ってしまったらしい。家を知っていることもあり、何とか歩かせながら、タクシーに一緒に乗せたが、一向に起きる気配がなく、部屋番号がわからないことを思い出して、仕方なくココに連れてきてもらったようだ。