ハイスペックなイケメン部長はオタク女子に夢中(完)
6.竜二の策略
「やっぱりあやめか。来たならちゃんと声かけろよ」と竜二のお小言に、苦笑いを浮かべながら
「先入観無しで見ときたかったから。」とあやめが答えると、
「何だよ、それ。で、感想は?」と竜二が言った。あやめが
「想像してたよりすごい良い。せっかくこんなスペース作ったんだからもっと店舗からもちゃんと見えるようにしたほうが良いよ。この引戸をガラスにするとかさ、勿体無いよ。」と答えると、竜二は嬉しそうに、
「そうだろ?良いよな?この空間。」とどこにこだわったとか、このベンチはどこでどうしただとか、竜二のうんちくが始まった。
「そうなんだー。」と適当に相槌を打つあやめに
「お前な~、ホームページ作るんだったらもうちょっと真剣に話聞けよ。」と竜二が言った。
「あー、そうだねー。ところで、なんでここ閉めてんの?もしかして、おじいちゃんイートインまだ反対なの?」とあやめが聞くと、竜二はニヤっと笑い、
「察しがいいねー、あやめちゃん」と言った。あやめは、竜二の笑いに正直イヤな予感しかしなかった。
「ちょっと、私巻き込まれるの嫌だからね。」と先に釘を指すと、
「そんなこと言うなよ、あやめー。ここの改装費だって馬鹿にならなかったんだからさー、せっかく良いものできてるのに勿体無いってあやめも言ってただろ?それに親父だってあやめのお願いには弱いんだからさー。」と竜二が言った。あやめは大きくため息をついて、
「どうせ初めから私におじいちゃんを言いくるめさせようと思って改装したんでしょ?」と言った。竜二はへへへと隠す様子もないので、
「ちゃんとおじいちゃんに納得してもらってから始めなよ。そんなんだからおじいちゃんも気分悪くするんだよ。」とあやめが言うと、
「いやー、説得したんだけどさ…。オレには厳しいわけよ。」と竜二が言った。あやめはおじいちゃんだってこういう空間は嫌いじゃないはずなのに、どうして反対なのかを考え、
「おじいちゃんはここが完成してから見たの?」とあやめが聞くと、竜二は
「いや、今日初めて見せる予定だ。」とニヤッと笑った。完全に竜二の策略にハマってしまっているらしいあやめは、もう一度大きくため息をつくと、
「だから私を巻き込まないでって。」と竜二を睨んだ。
「巻き込んだんじゃないぞ。偶然親父の初見の日にあやめがたまたまイートインコーナーのホームページを作りたいと言って訪ねてきただけだ。」と竜二は言った。あやめは、
「よく出来た偶然ですね。」と他人事のように言った。竜二は思いの外あやめが怒っていることに少しビビりながら、
「でも、あやめも良いと思うだろ?ここ。絶対流行ると思わない?」と聞いた。あやめは、
「まぁ雰囲気は悪くないと思うけど、どこまで手を増やしてやっていく覚悟があるかってところじゃない?単なる休憩スペースで終わらせるのか、ちゃんとしたイートインのサービスをやるのか。どこまでの採算を考えてこの改装したの?」と単純な疑問として聞いた。
「そりゃもちろん、単なる休憩スペースで終わらせるつもりはないよ。ちゃんとしたイートインのサービスだよ。」と答える竜二に、
「ちゃんとしたイートインのサービスの結果が、この菓子器と楊枝とサーバーって事?」とあやめが聞くと、
「そうだ。このサーバーはレンタルだけどな。」と竜二は胸を張った。あやめは大きく息を吐いて、
「それじゃ、ちょっと親切な休憩スペース止まりだよ。」と言った。竜二が
「あ?」という声を出したところに、あやめは畳み掛けるように
「ちゃんとしたイートインのサービスとして想像するのは、こういう和菓子屋なら、少しお金を払ってでも、お抹茶やお煎茶がちゃんとあって、購入したお菓子をセルフじゃなく菓子皿に盛って給仕してくれるところまでが最低条件じゃない?その場合、お抹茶やお煎茶はちゃんとした物が給仕できないとね。外国人観光客の集客を狙うなら、ちゃんと和装した人に、たててもらうっていうのが理想かな?まぁ毎日じゃなくても、週に2回位、エキシビジョンとしてやりますみたいな感じで、時間を明記しておけば、かなりの集客力にはなるかな。」とあやめが言うと、
「そこまでやろうとしたら人件費がめちゃくちゃかかるだろう。」と竜二が言った。
「だから、どこまでの採算を考えて改装したのかって聞いたんじゃん。竜ちゃんがした改装はまぁ予算的なことは聞きたくないけど、ぱっと見、だいぶかかってるんだろうなとは思うし、イートインコーナーとして休憩所に終わらせて採算とれるような額じゃ無いでしょ?だったら、利益をあげるためのサービスの提供は考えないと行けないんじゃないの?その辺りの心づもりはあるの?」とあやめが聞くと、
「でも、この雰囲気の良さなら人は集まって来るだろう?」と竜二が言った。
「あまいよ。そんな雰囲気だけで人が集まって利益倍増なんて、アマすぎ。そんな簡単なわけないじゃん。」とあやめが言うと、
「相変わらずあやめは厳しいなー。じゃぁ試しでやってみようよ。あやめの案。」と竜二はニヤッと笑った。今度はあやめが
「は?」と言うと、
「和装でお抹茶出し、やってみよう。」と竜二が言うので、あやめが
「でもおじいちゃまの許可がおりてないのにそんなのやって大丈夫なの?」と言うと、
「大丈夫だよ。あやめだから。」と竜二の言葉に、
「どういうこと?」と聞くと、竜二は、
「さ、そろそろ準備しなきゃな。とりあえず、上行くぞ。」とあやめに向かって言った。あやめは何で?と思いながらも仕方なく竜二について行った。
「やっぱりあやめか。来たならちゃんと声かけろよ」と竜二のお小言に、苦笑いを浮かべながら
「先入観無しで見ときたかったから。」とあやめが答えると、
「何だよ、それ。で、感想は?」と竜二が言った。あやめが
「想像してたよりすごい良い。せっかくこんなスペース作ったんだからもっと店舗からもちゃんと見えるようにしたほうが良いよ。この引戸をガラスにするとかさ、勿体無いよ。」と答えると、竜二は嬉しそうに、
「そうだろ?良いよな?この空間。」とどこにこだわったとか、このベンチはどこでどうしただとか、竜二のうんちくが始まった。
「そうなんだー。」と適当に相槌を打つあやめに
「お前な~、ホームページ作るんだったらもうちょっと真剣に話聞けよ。」と竜二が言った。
「あー、そうだねー。ところで、なんでここ閉めてんの?もしかして、おじいちゃんイートインまだ反対なの?」とあやめが聞くと、竜二はニヤっと笑い、
「察しがいいねー、あやめちゃん」と言った。あやめは、竜二の笑いに正直イヤな予感しかしなかった。
「ちょっと、私巻き込まれるの嫌だからね。」と先に釘を指すと、
「そんなこと言うなよ、あやめー。ここの改装費だって馬鹿にならなかったんだからさー、せっかく良いものできてるのに勿体無いってあやめも言ってただろ?それに親父だってあやめのお願いには弱いんだからさー。」と竜二が言った。あやめは大きくため息をついて、
「どうせ初めから私におじいちゃんを言いくるめさせようと思って改装したんでしょ?」と言った。竜二はへへへと隠す様子もないので、
「ちゃんとおじいちゃんに納得してもらってから始めなよ。そんなんだからおじいちゃんも気分悪くするんだよ。」とあやめが言うと、
「いやー、説得したんだけどさ…。オレには厳しいわけよ。」と竜二が言った。あやめはおじいちゃんだってこういう空間は嫌いじゃないはずなのに、どうして反対なのかを考え、
「おじいちゃんはここが完成してから見たの?」とあやめが聞くと、竜二は
「いや、今日初めて見せる予定だ。」とニヤッと笑った。完全に竜二の策略にハマってしまっているらしいあやめは、もう一度大きくため息をつくと、
「だから私を巻き込まないでって。」と竜二を睨んだ。
「巻き込んだんじゃないぞ。偶然親父の初見の日にあやめがたまたまイートインコーナーのホームページを作りたいと言って訪ねてきただけだ。」と竜二は言った。あやめは、
「よく出来た偶然ですね。」と他人事のように言った。竜二は思いの外あやめが怒っていることに少しビビりながら、
「でも、あやめも良いと思うだろ?ここ。絶対流行ると思わない?」と聞いた。あやめは、
「まぁ雰囲気は悪くないと思うけど、どこまで手を増やしてやっていく覚悟があるかってところじゃない?単なる休憩スペースで終わらせるのか、ちゃんとしたイートインのサービスをやるのか。どこまでの採算を考えてこの改装したの?」と単純な疑問として聞いた。
「そりゃもちろん、単なる休憩スペースで終わらせるつもりはないよ。ちゃんとしたイートインのサービスだよ。」と答える竜二に、
「ちゃんとしたイートインのサービスの結果が、この菓子器と楊枝とサーバーって事?」とあやめが聞くと、
「そうだ。このサーバーはレンタルだけどな。」と竜二は胸を張った。あやめは大きく息を吐いて、
「それじゃ、ちょっと親切な休憩スペース止まりだよ。」と言った。竜二が
「あ?」という声を出したところに、あやめは畳み掛けるように
「ちゃんとしたイートインのサービスとして想像するのは、こういう和菓子屋なら、少しお金を払ってでも、お抹茶やお煎茶がちゃんとあって、購入したお菓子をセルフじゃなく菓子皿に盛って給仕してくれるところまでが最低条件じゃない?その場合、お抹茶やお煎茶はちゃんとした物が給仕できないとね。外国人観光客の集客を狙うなら、ちゃんと和装した人に、たててもらうっていうのが理想かな?まぁ毎日じゃなくても、週に2回位、エキシビジョンとしてやりますみたいな感じで、時間を明記しておけば、かなりの集客力にはなるかな。」とあやめが言うと、
「そこまでやろうとしたら人件費がめちゃくちゃかかるだろう。」と竜二が言った。
「だから、どこまでの採算を考えて改装したのかって聞いたんじゃん。竜ちゃんがした改装はまぁ予算的なことは聞きたくないけど、ぱっと見、だいぶかかってるんだろうなとは思うし、イートインコーナーとして休憩所に終わらせて採算とれるような額じゃ無いでしょ?だったら、利益をあげるためのサービスの提供は考えないと行けないんじゃないの?その辺りの心づもりはあるの?」とあやめが聞くと、
「でも、この雰囲気の良さなら人は集まって来るだろう?」と竜二が言った。
「あまいよ。そんな雰囲気だけで人が集まって利益倍増なんて、アマすぎ。そんな簡単なわけないじゃん。」とあやめが言うと、
「相変わらずあやめは厳しいなー。じゃぁ試しでやってみようよ。あやめの案。」と竜二はニヤッと笑った。今度はあやめが
「は?」と言うと、
「和装でお抹茶出し、やってみよう。」と竜二が言うので、あやめが
「でもおじいちゃまの許可がおりてないのにそんなのやって大丈夫なの?」と言うと、
「大丈夫だよ。あやめだから。」と竜二の言葉に、
「どういうこと?」と聞くと、竜二は、
「さ、そろそろ準備しなきゃな。とりあえず、上行くぞ。」とあやめに向かって言った。あやめは何で?と思いながらも仕方なく竜二について行った。