恋する24時 2

 目の前に、苦虫を噛みつぶしたような顔の

 加藤部長がいる。




「……あの、加藤さん、さっきのはどう言う意味なんでしょう?」




 沈黙に耐えられなくて

 わたしから口を開いた。




「……月森さん、ヘンな事を聞きますが……」




 意を決したように、顔を上げて

 わたしを見た加藤部長の瞳が

 もの凄く揺らいでいて……。



 言いずらい事を、あえて

 言ってくれるんだとわかった。




「飲み会とかで、お持ち帰りされることは良くありませんか?」



 い!?

 な、なんで? そんな質問?



「……」



 でも

 聞きずらい事を確かめるために

 聞いているのがわかったから……。



 わたしは、彼がわかるように

 大きく頷いてみせた。



 恥ずかしくて

 顔がどんどん熱くなってゆく。




「彼が出来るきっかけは、それが多いですか?」




 うっ……。


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