前略、さよなら


「千代って男好きだよね」

「わかるわかる」

「陽にずっとベッタリだし」

「そのくせ拓海とかとも

よく一緒にいる」


教室には
星華と梨花と琴葉がいた。


「男が寄ってくる意味がわかんない。

なんも喋ってくれないしさ」

「会話続かないもん」



何かが崩れる音がした。

私はその場にしゃがみこむ。


私の世界を構築している周りの人とは
上手くやっていかないと
歯車が狂って世界は壊れてしまう。


だけど私はちょっとばかし
歯車の形が変わっているから

規格外の非正規品だから


うまく噛み合う歯車が
絶対的に少ない。


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