しあわせ食堂の異世界ご飯3
「あ、なるほど」
 高くて生産が少ないので、ある程度の実績や伝手がないと購入することすらできないようだ。
(取り扱うのは高級店くらいだろうしね)
 しあわせ食堂のような大衆食堂では、本来なら縁のないものだ。
 仕入れても赤字にならない値段設定にしたら、誰も注文してくれないのが目に見えている。
「確かに今の時期に手に入れられたらいいですけど、おでんも始めたばかりですし」
 新作料理はもう少し落ち着いてからの方がいいかなとアリアは思っている。それにはエマも同意だったようで、「そうだねぇ」と頷いた。
「また機会があったら、そのときはエマさんに声をかけますね」
「ああ、わかったよ」
 今のところは特に果物を使う予定はなし。
 でも、取引できるのであればそれはそれで嬉しいので何かあればありがたく利用させてもらおう。
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