しあわせ食堂の異世界ご飯3

 材料を見たカミルは、「へぇ……」と感心するように声をあげた。
「こんな簡単な材料で作れるのか」
「そうだよ。シフォンケーキは手軽に作れるから、リズちゃんも練習すればお家で作れるようになると思うよ」
「頑張ります!」
 リズはぐっと拳を握りやる気を見せた。
(私も頑張って教えてあげなくちゃ!)
 アリアはボウルをふたつ取り出して、カミルとリズに卵をひとつずつ渡す。まずは、卵の卵黄と卵白を分ける作業だ。
「シフォンケーキは、卵をこうやってわって……中身を分けてあげるんだよ」
「わぁ、難しそう……」
 アリアが手本を見せると、リズは不安そうに眉をハの字にする。
「大丈夫だよ。最初から上手くできる人なんてほとんどいないんだから」
 失敗しても大丈夫だとアリアが告げると、リズは力強く頷いた。小さな手で卵を持ち、机でコンコンと叩いてヒビを入れる。
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