しあわせ食堂の異世界ご飯3
しあわせ食堂の前にいつもの行列はなく、もうクローズの看板が出されている。ちょうどいい時間に来ることができたようだ。
 マイクがノックをすると、中から「どうぞ~」というシャルルとリズの明るい声が返ってきた。
「いらっしゃい! お待ちしていました」
「こんにちは。もう昨日から、待ち遠しくてうずうずしちゃったよ」
「それはよかったです。きっと、食べたらすごく驚くと思いますよ?」
 シャルルがマイクと親方を迎え入れて、席へ案内する。
 マイクは落ち着かない様子で席につきながら、きょろきょろしている。どうやら新料理を見ようと厨房が覗けないか首を動かしているらしい。
「だって、新メニューを先に食べられるんですから!」
 興奮しながらマイクが告げると、向かいに座った親方もしっかりと頷いた。
「器もちゃんと持ってきたぞ」
「親方も準備はバッチリですね」
 ふたりには、今から実際に新メニューの食事をしてもらう。
 もちろんお持ち帰りもしてもらうのだけれど、どうせなら熱々の内にも味わってほしいというアリアの配慮だ。
「お水もどうぞ」
「ありがとう、リズちゃん。今日もお手伝いをしてたのかい?」
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