夜のしめやかな願い
「押し付けたな」
思わず声が低くなる。
あの宗雅が捕まえた奥さんにデレデレだというのは、宗忠から聞いている。
狼が捕まえた兎を溺愛なんて、ファンタジーだよね、と宗忠はにこやかな笑顔で教えてくれた。
腹の中では爆笑しているのだろう。
うん、今のでよくわかったよ。
さゆりはため息をつくと、処置室にそっと戻った。
椅子に座る衣擦れの音に、宗臣がまぶたをあげた。
先ほどよりも、眼差しがしっかりしていた。
「気分どう?
ソーガに連絡したら、今日はこのままここに入院できるように手配をしてくれるって」
宗臣は息を吐いた。