夜のしめやかな願い

「また、兄にメールしてみるよ。
 休憩の所、邪魔してごめんね」

さゆりは無言で首を振った。

宗忠は気遣うような眼差しになった。

「なにか・・・できること、ある?」

さゆりの視線が揺れて、伏せられた。

あるわけない。

宗忠にしてもらうことなんて、何一つない。

さゆりは微笑の仮面をかぶると、頭を振った。

そうなのだ、とっくに宗忠にしてもらう事なんて何もなかった。

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