夜のしめやかな願い

「でも、なぜ、手をつけたの?
 全く、必要なかったよね?」

心のどこかで、ずっとあった疑問。

宗臣はちらりとだけ視線を投げた。

「答えるの、めんどくさい」
「はあ?」

忘れてた。

宗雅と宗忠の兄だった。

「ってか。弱っている自覚あるんだね」

にやりと笑って指摘すると、嫌な顔をされた。

「また、持ってくるから」

引き際を感じてさゆりは立ち上がった。

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