無気力少女は必要以上に迫る男共がお嫌い。
さっきよりも、さらに低い声が出た。
「なんだよ、さっさとこた…」
途中で声が途切れる。馬鹿にしたような二人とオドオドしていた一人は、私の顔を見たまま固まった。それはもう、面白いくらいの変わりようだった。
「うぜえんだよ。好き好んで知らない奴らの部屋になんか入るわけねえだろ。さっさと退けよ」
不愉快の塊は、間抜けな顔で口を開けていた。
「…今の聞こえてねえのか?はやく退けっつってんだろ」
それにハッとしような顔をした三人は、バッと私が通れるように道を開けてくれた。
「…ふぅ、では帰りますんで」
律儀に最後の挨拶も済ませてっと。