無気力少女は必要以上に迫る男共がお嫌い。
金髪の背後から、抹茶と筋肉が顔を覗かせた。
私と目が合うと、ひぃぃいいぃ!と情けない声を漏らしながら身体を縮こませていた。
「体育館。道」
単語で喋る私に、ペコペコと頭を下げて「了解です」と言う。
何故かこの短時間で、この集団と主従関係を持つとは思ってなかった。
人生何が起こるか分からない、とよく言うけどホントにその通りだった。
「…金髪」
「へ、へい!なんすか!?」
「…お姫様だっこして」
あわよくば、と思っただけで半分冗談で言ったつもりだったけれど、ひょいっと私の身体を持ち上げて「分かりました!姉御!」なんて言っている。