森の妖精と団長さん



お兄様とセアは私がルカさんを治療している間にシエルさんから全てを聞かされていた。







『前ラティモア辺境伯ご夫妻の死は、レーガン侯爵が手配した輩が原因でした。レーガン侯爵はもとからこの地を狙っており、ご夫妻亡き後、自分の子供にこの領地を引き継がせるのが目的でした。』


言葉が出なかった。

治療が終わり、ひと息つけた頃にセアから聞かされた真実


そして、レーガン家は王宮にいる私がリーサ様にそっくりで調べていたことも
私が弓で射られたのは、偶然ではなかった。




シエルさんたち、騎士団はずっとこの地を調査していたらしい。
初めてシエルさんたちと森であった時も、この地の山で輩が暴れていると情報があって来ていたら、帰り道に襲われたとセアに聞いた。



自分の頭では処理仕切れない程の情報量に頭がぐちゃぐちゃで整理できなかった。


でも今は、この小屋がお父様、お母様、セアによってできたと感じ、
初めて会うお兄様とは、まだこれからたくさん仲良くなれる。


この地を私も立て直したい。

その一心で毎日森から街に通い、


この緑溢れる、優しい街で心に微かな人影を残して過ごしている。


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