森の妖精と団長さん



「シキお兄様!薬草園を見てきます!」


「…"お兄様"はまだ慣れないなー…シキでいいんだよ?」


「あ、ごめんなさい……でも、お兄様はこれからここを立て直していく方なのです!私は尊敬の意味も込めてそう呼ばせていただいています!!」


両手に力を入れて力説する私に、お兄様は渋々納得してくれた。


「そっか。こんなに可愛い妹に尊敬されてるんだ、気合い入れないとな。」


「私もできる限り協力します!シキお兄様!」


私の頭を撫でて笑うその顔がとても優しく、心地よかった。









「エマ様、お茶に致しましょう。」

「セア!ありがとう!せっかくだからここでやらない?」


私を休憩に誘ってくれるセア
私のわがままでそのまま薬草園でお茶することになった。



「セア、お父様とお母様はどんな人たちだったの?」


「……そうですね。ジル様、リーサ様はとてもお優しく、お強い方々でした。」


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