森の妖精と団長さん



『シキ様!エマ様!!』


僕らがいる部屋に飛び込んできたのは、当時お母様のお世話係をしていたセアだった。


『申し訳ございません!!私たち使用人がついていながら、お2人を守りきることができなかった上、……私はリーサ様に助けられました…!』


泣き崩れるセアを責めることなんてできず、ただ震えてる手をただ握りしめることしかできなかった時



『レーガン侯爵が屋敷に!?なぜ侯爵がこのような辺境地に!』

部屋の外が騒がしくなり、部屋の中にいる大人たちもピリつくのが分かった。



『俺その人のとこ行くよ。』

『!?なぜです!シキ様はエマ様とここにいてください!我々が何とか致します!!』


『ここは、お父様の領地だ。お父様がいない今、僕がここを守る。』


小さな背中でここを守ると言い放った男の子に、全員が息を飲む。



『なりません!出て行ったら何されるか…!それに私はリーサ様にシキ様とエマ様を守るよう言われました!!』


『…じゃあ、エマだけ守ってくれる?セア。エマはまだ5歳だ。安全な所で育って欲しい。』



エマに近づくと、きょとんとした顔でシキを見つめる。


『エマ、またいつか会おうね。』


そう言って、数人の使用人たちとレーガン侯爵に会いに行ったシキ



< 117 / 170 >

この作品をシェア

pagetop