ぼくらは最期まで最初の恋をする


「おい、それ大丈夫なのか?」


「そんなに心配いらないって」


最近、頭痛が頻繁に起こること。でも、そこまで長く続く訳では無いこと。同じところばかり痛むこと。

そんな事情を瑛太に説明すると、慌てたような表情で聞いてきたから、こっちもちょっと不安になる。


「病院とか行ってきた方がいいんじゃ…」


「やめろよ、大会前だぞ!?部活は大事をとって休んでくださいなんて言われたらどうすんだ!」


「それもそうだけど…」


「俺は大丈夫だ。これでもこのチームのエースピッチャーだぞ?大会前に俺がいないでどうすんだ」


「分かった。だけど無理だけはすんなよ?」


「分かってるって」


大きく頷くと、瑛太はようやく納得したように笑った。


「大会も、よろしく頼むぜ、自称エースさん!」


「自称じゃねぇ、ほんとにエースなんだよ」


目を見合わせて笑い合うと、そのまま掌を合わせてハイタッチをした。


大好きな野球も、中学校で出来るのはあと数ヶ月しかないんんだ。めいいっぱい、やりきらなきゃ損だよな!


その後も、練習が少しあり、それから俺は家に帰った。
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