外見9割、性格1割。

でも、だったら引き留めないでよ。

愛琉「大体あんたは...」

私の言葉を遮った鬼男は言った。

築「何も聞こえない。
あいつには...何も...」

愛琉「どうゆう事?」

そう聞かざるを得なかった。
だって、あの鬼男が泣いてたから。

築「あいつは一生目を覚まさない。」

愛琉「...何で?」

築「大学2年の夏に俺はあいつに
別れ話をした。美園は絶対に
別れないって言った。鬱陶しかった。
もう気持ちも何もない奴と一緒に
いる事が苦痛だった。美園の手を離し
縋り付くあいつを振り払って
俺は家を飛び出した。そしたら
あいつが追いかけてきて...
事故に遭った。それからずっと
美園は目を覚まさない。」

出来る事なら聞きたくなかった。
まだ、鬼男に最愛の彼女がいる方が
マシだった。...だって、勝てない。

愛琉「別れ話って...じゃあ...
あんたは彼女の事、好きじゃないの?」

築「俺の気持ちなんてどうでもいい。
ただ、俺は一生美園のそばにいる。
だから、お前の気持ちには応えられない。」

鬼男の言う通り。
喧嘩も出来ないライバルと
戦う事なんて出来ない。
< 231 / 424 >

この作品をシェア

pagetop