外見9割、性格1割。

次に続く言葉は何だろうと期待した。

違うんだ、本当は俺もお前の事が...
そんな未来ある言葉だろうか。
心配してやったのに何だその態度は。
そんな鬼男らしい文句だろうか。
じゃあ泣いてんじゃねぇよ。
そんなSっ気溢れる優しさだろうか。

築「...ごめん。」

色んな言葉を想像したけど
どれも違った。
鬼男が言った言葉は
ありきたりな謝罪だった。

でも、この場面でのごめんは
否定以外の何ものでもない。

振り返らずに泣いた。
数時間後、また鬼男と会う
その時までにこの涙は枯らして
おきたかった。

ーピン

エレベーターの到着音が聞こえると
白戸くんが降りてくる。
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