敏腕室長の恋愛遍歴~私と結婚しませんか~
「この前の同期会の時、一緒に飲みに行こうとは言ったけど連絡来ないんだよな。なぜか」
「なぜかって何、お前向こうから連絡来ると思ってんの?」
「思ってるよ。誘ったら嬉しそうにしてたし、秘書室の子って合コンしまくって男漁ってるんだから軽いんだろうし」
「うわ、お前サイテー」
「いや、事実じゃん?仕事が堅いとプライベートは軽くなるってやつじゃないかと俺は思うね。じゃなきゃ誘ってすぐあんな目で見てこないって」
「ていうかあんな目ってどんな目だよ?」
「うーん……、俺に気がありそうな目?」
「あははは、お前自意識過剰じゃね?いくらイケメンランキング15位だからって。相手は7位じゃん。格上だろーよ」
話の流れからそうじゃないかと思ったけど、15位でわかった。
これ、阪井くんだ。
ランキングの話詳しそうだったし、間違いないと思う。
なんかいい人だと思ってたのにちょっとショック。
合コンしてるからって軽い訳じゃないですよー、って声を大にして言いたいけど。
かなり盛大に誤解されているせいか、意外と受けているダメージは少ない。
というか『気のありそうな目』なんてしてたのかな私。
まあ作り笑いだ愛想笑いだとかさんざん言われてきてるから、いまさら自分の表情が思っていることと違う伝わり方をしても何も不思議じゃないけど。
それよりこんな話を室長に聞かれていることが嫌すぎて、こっちの方が気になっている。
それに室長の顔がどんどん険しくなっていて、明らかに不快であることを隠そうともしていない。