敏腕室長の恋愛遍歴~私と結婚しませんか~
「奥の個別ブースが空いてるといいが……」
室長は私の心配をよそに、リフレッシュスペースへと向かう。
そこは広い空間の中に一人用の籠れるタイプのブースや数名でオープンに話せるソファなど、リフレッシュする形は人それぞれだと、多種多様なブースが用意されていた。
所々にグリーンが飾られており、それらは癒しのためだけではなく隣の席との目隠しの役割も果たしている。
そして奥の方に、おおっぴらに話せない私達に丁度よさげな席を見つけたけれど。
「ーーーーで、『7位の七海チャン』とはどうなってんの?」
私が座ろうとした瞬間、隣のブースから聞こえた明るい声にはっとする。
なぜなら『7位の七海チャン』とは限りなく私のことである可能性が高く、しかもそんな言われようでは喜んでいい話には聞こえなくて。
そして室長も気付いたのか、隣のブースへ目を向けている。