敏腕室長の恋愛遍歴~私と結婚しませんか~
「別に俺らが父親と全く同じだって訳じゃないし、俺らが選んだ相手も母親たちと同じだとは限らない。俺らは結婚しようと思えば出来るし、不幸な家庭にしないことも出来るはず……だと思う」
「出来るはず……ね。失敗例を見てるんだから成功に導くのは難しくないだろうがな」
「俺らにはあの父親の血が流れてるからねえ……。ホントあの人は結婚しちゃいけない人だよ」
「でもあの人の血が優れているのは否定出来ない、だろ?」
「そう、それ!結婚したいとは思わないけど、自分の子供はほしいんだよな。自分の遺伝子がどう伝わるのかが見たい」
「だがそれを見るためには立場上、結婚という形式に縛られなければならない。でなければ隠し子という扱いになるからな」
「けど俺らの場合は奥さんを一生大切にしたいなんて思えるのか、出来るのかが分からない、ってやつだよな。自分の子を俺達みたいに不幸な家庭に生まれた歪んだ人間にはしたくない」
「同じく」
ここで暁斗と俺は揃って深いため息をつく。
俺達は歪んだ家庭を作り上げた父親に対して憎悪も感じてはいるが、同時にそのカリスマ性と高い能力に尊敬もしている。
ただ、どんなに優れていても不幸な女性を作ってしまったことは非難されるべきだし、俺も暁斗もそこは父親の生き様を否定したいと思い現在に至る。