敏腕室長の恋愛遍歴~私と結婚しませんか~



神田七海のことは気にしないよう努めるうちに、仕事が忙しくなり始め、あっという間に暁斗の社長就任の時が来た。

その間暁斗には佐伯コーポレーションのご令嬢との婚約話が持ち上がったり、暁斗が社長になることを快く受け入れない輩がいて、まずは地盤を固めるべく暗躍することが多く、毎日の疲弊ぶりが半端なかった。

都合のいい女をクタクタになるまで抱き潰して、泥のように眠りたいと思う夜もあったが、どこがどう繋がっているのか分からない世の中だ。立場も周囲の環境も変わり、自由気ままに行動するのは控えるようになっていた。

そんなある日のこと。
仕事は山ほどあるものの、遅くまでかかる予定だった電話会議がキャンセルになったので今日は早く上がって飲みに行こうと決めていた。

秘書達も何もなければ皆帰りは早いので、秘書室にはもう誰もいないと思っていたが。


「神田さん」

「え……、あ、室長……」


残っていたのは神田七海で、俺が声を掛けるとひどく驚いているようだった。きっと彼女も残っているのは自分だけだと思っていたに違いない。

確か偶然聞いてしまった話では、彼女は今日は同期会だったはずだ。
ただ、性格からかキリのいいところまで残りの仕事を片付けたいと思っているらしかった。
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