敏腕室長の恋愛遍歴~私と結婚しませんか~

「あの、この箱しまってあったんですけど開けてもいいですか?」

「何だこれ」

「梅干しかな、と思って出してみたんですけど。というか勝手に出してごめんなさい」

「いや、いいよ。君の好きにしていいって言っただろう?他にも棚の中に眠ってる貰い物があったと思うがそれも好きにしていい」

「好きにしてって言われてもやっぱり抵抗ありますよ」

「君にこのまま他に誰も見つからなければ『保険』が適用されて、俺もこの部屋も君のものだけどね」

「そっ、そんな……」

「それとも他の誰かを見つけるの諦めた……?」


我ながら姑息な質問だと呆れる。
彼女が俺を嫌がっていないのは分かっている。

もしこの先彼女に、他の誰かが見つかってしまえば俺はまた元の生活へ逆戻り。

今まで心を許せる存在に出会わなかったのだから、これからすぐに代わりの誰かが見つかるとも思えない。

きっと永遠に結婚などせず一人きりで生きていくのだろう。

結婚なんて息苦しいシステムだと思っていたが、こうして彼女といる時間は悪くなく、むしろ心地よさを感じるぐらいだ。
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