敏腕室長の恋愛遍歴~私と結婚しませんか~
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「……で、暁斗が親父の後を継ぐと言ってくれたから、俺はあいつを支えたいと思い、今に至るという訳だ」
改めて自分の身の上を顧みると、中々重たい内容だと感じざるを得ない。
こんな話を聞かされたところで彼女も困惑するだろうと思っていたものの、彼女はあまり表情を変えず話し終えた俺をじっと見つめていた。
「やっぱりこんな話されても迷惑だよな」
「いえ……、迷惑だなんて思ってません。話してくださって嬉しいです。なんていうか、その、室長に認めてもらえたような気がして……」
「認める? 俺はそんなに偉くないよ」
「偉いですよ。私の上司ですもん」
「はは、上司ね。でも今は上司と部下の時間じゃないだろ? 七海」
「っ……、ここで名前はずるいです……!」
そう言って視線を逸らして目を泳がせている彼女。
名前で呼ぶタイミングを意識したことはなかったが、今思えばこういう時に呼んでいた気がする。