敏腕室長の恋愛遍歴~私と結婚しませんか~

「本当は、俺一人なら今日は取り止める方向で話を進めようとしてたんだ。でも君を連れていけばいいってことになって、それが決まったのが今朝だったからバタバタして疲れが今来た感じ」

「今週は本当に忙しそうでしたよね。それに加えて今日の出張なのでお疲れですよね」

「ああ。でも君とこうして旅行気分が味わえるのは悪くない。疲れも吹っ飛ぶよ」

「そ、そんなことは……。室長の疲れを増やさないよう、頑張ります」

「はは、そんなに意気込まなくてもいいよ。本当に旅行気分でいていいんだ。実際、俺はそういう気分だけど?」


膝に置いていた手が大きな手に包まれ、指を絡める恋人繋ぎに直されて二人の間に収められた。

この前は誰かに見られると困るから隠れてこそこそしていたけれど、移動中の車内とはいえ人目につく所でこうして手を繋ぐのはドキドキするし、この関係が確かなものだという安堵とで心が落ち着く。


「……君にはこれまで色々はっきり話せていなかったけど、佐伯さんは暁斗の婚約者なんだ」

「ああ……、そうだったんですね……」


婚約者、と聞いてこれまでの経緯を思えばすんなりと納得出来る。

じゃあ佐伯さんのお休みの理由はやっぱり幸せな方の理由になるのかも。
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