敏腕室長の恋愛遍歴~私と結婚しませんか~
あー、絶対呆れてる。
最近色々あったから勘違いしてるのかお前、とか思ってるのかも。
穴があったら今すぐ飛び込みたい。
「意外だな。少しは俺のこと気にかけてくれてるんだな」
「え?」
「いや、俺がこれまでどんな女と関わってきたのか、好きなタイプとか訊かれたことなかったから。そこら辺は興味ないのかと思ってた」
「そ、そんなわけないじゃないですか。気になりますよ。でも気にしようがないぐらい膨大な人数いるんですよね?それにきっとみんな美人でスタイルよくて、私なんかかないっこないですもん」
こんないじけたことも言うつもりはなかったのに。
完全に室長のペースだ。
心の狭い女を全力でアピールしてどうするっていうんだ私は。
「俺は、自分が美人より可愛い子が好きなんだって、君とこうなって初めて気づいたけど」
「は……?」
「これまで女性の顔なんて気にしたことがなかったが、君は可愛い。笑ってくれると癒される」
「えっ……」
「それに俺は君がこれまで付き合ってきた男のことは訊いたのに、君からは訊かれなかった。興味ないんだなと思ってたって訳」
「それは、その、心が狭いと思われたくなかったんですよ。余裕のあるいい女を装いたかったというか」
「ふーん、じゃあ俺は余裕のない男だったな」
「え? なぜです?」
「あの阪井ってやつに我慢できなくて文句言ったし」
あの時室長が怒ってくれたことはすごく嬉しかった。
私のことを、自分のもの、みたいに思ってくれてるのかなあなんて思えて。