敏腕室長の恋愛遍歴~私と結婚しませんか~
阿川さんは社歴が長いこともあるけれど、社内では顔見知りも多いみたいで、他の部署の方々から話し掛けられる場面をよく目にする。
見た目は絵に描いたような美人さんそのもので、目鼻立ちはハッキリとしていて、颯爽と歩く姿は本当に美しい。
あの人を美人と呼ばずになんと呼ぶ、といったところだ。
「まあ阿川さんは美人すぎて彼女にしたいなんておそれ多くて選べないんじゃない?」
「ああ……確かに」
「あ、でも阿川さんは別なランキングで1位だよ」
「別な、ってなんのランキング?」
「上司になってほしい女性ランキング、だったかな」
「ああ!わかる!」
その場にいたほぼ全員がうんうんと頷き、その揃いようにみんなで顔を見合わせて大笑いしてしまった。
「阿川さんカッコいいもんね。あの人に怒られたい、っていう男が多いってことだね」
その後もランキング絡みの話で色々盛り上がったけど、社長と室長の話はちょくちょく出てきて、やっぱりみんなの注目の的なんだなあと思った。
「じゃあそろそろお開きにして、行ける人は二次会に行きますか」
今日の幹事の子がそう伝えると、みんなぞろぞろと立ち上がり帰り支度を始める。
私は遅れて参加したので二次会にも行こうと思い、お店の外で二次会参加組と一緒に待っていると、不意に肩をトントン、と叩かれた。