敏腕室長の恋愛遍歴~私と結婚しませんか~


「……異動したら、そこで素敵な人と会うかもしれませんね……って、あ、えと、私何言ってるんですかね……」


ぼそっと思わず口にしてしまった台詞に自分でも驚き、それがあまりにも嫉妬深くて見苦しくて自己嫌悪に陥りそうだ。

昨夜の甘い余韻が今ので全部吹き飛んだ気分。
だって室長はものすごくカッコよくて、女子社員の憧れだし。
どんなハイスペックな美女でも難なく落とせてしまうに違いない。

今は単なる気まぐれというか、タイミングが合ったからとか、そういう外的要因で私が選ばれただけなんだ。

そう思うとこの関係の危うさに、婚姻届をすぐに提出して縛り付けてしまいたいような衝動に駆られる。

もちろん、そんなことはできっこないけど。
でも、これから室長と一緒にいるなら、嫉妬や不安は常に付きまとう感情になるのだろう。


「……まだそういう心配するんだな。君のことはかなり特別扱いしてるつもりなんだけどな」

「特別というか……タイミングが合ったっていうのが一番ですよね……」


なんでこんなにいじけた台詞ばかり出てくるんだろう。
こんなこと言いたくないのに。
これじゃあ完全にめんどくさい女だよ。
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