敏腕室長の恋愛遍歴~私と結婚しませんか~
「い、いや待ちましょ、ていうか待って……私まだ昨日の疲れが……」
「いいよ君は何もしなくて。俺が勝手にするから楽にしていい」
「ら、楽になんてできるわけないじゃないですか……!」
「はは、まあそうか。声は出るもんな」
「っ……! あっ、やぁ……」
室長は意地悪な笑みを浮かべながら私の首筋に食いついてきて軽く歯を立てる。
途端にゾクゾクとした痺れにもにた刺激がつま先まで駆け抜けていく。
「も、ホントにだめ……、あれ……電話……?」
スマホのくぐもった振動音が近くで聞こえた気がしてあたりを見回す。
私のはバッグに入れてあるし、と思っていると私に覆い被さっていた室長がものすごく不機嫌そうに眉根を寄せてベッドの端に置いてあったスマホに手を伸ばす。
「朝から誰だ……って………、はい……、藤堂です」
文句を言いつつもビジネスモードの声色で応答する室長。
いやそれよりこの体勢で出るとかすごい。
まあ、まさか私の脚の間に収まったまま電話に出てるなんて相手の人も思わないだろうけど。
「……はい、ええ……」
電話が長くなるのか、室長は私の頭をくしゃっと撫でるとベッドから降りた。
そして着崩れたバスローブを直すと少し離れたソファへと座り、まだ何やら話しているようだ。
雰囲気的にもうナシだなあ、と思うとなんだかちょっと残念な気がするのは室長には言うまい。
とりあえず私も身支度をして朝食でもとろうと思い、ベッドから抜け出しバスルームへと向かった。