敏腕室長の恋愛遍歴~私と結婚しませんか~
*
やっと終業時間を迎え、皆が帰る中、私はキリのいいところまでやってから帰ると言って秘書室に残っていた。
帰りに執務室に寄れと言っていた室長は、だいぶ前から社長室にいる。
何を話し込んでいるのかはわからない。
ずっと休んでいた佐伯さんは今日から復帰していたし、社長と佐伯さんの方の問題は無事に解決したのだと思う。
「まだかかるのかな……」
どうも落ち着かないので、フロアの中を腰の後ろに手を組んで散歩のように歩き回っている。
すると、社長室の方から扉が開く気配がして振り向くと。
「悪い。少し遅くなった」
少しお疲れ? と思ってしまうほどアンニュイな雰囲気を纏って室長がやって来た。
「いえ、大丈夫です。そんなに待ってませんよ。社長とのお話はもういいんですか?」
「ああ、まあ……。それじゃ、こっちへ来てくれないか?」
「え、あの……?」
私を促し向かうのは室長の執務室とは違う社長室のある方向。
室長は迷うことなく進むけど、私は社長に用があるわけではないので躊躇していると。
やっと終業時間を迎え、皆が帰る中、私はキリのいいところまでやってから帰ると言って秘書室に残っていた。
帰りに執務室に寄れと言っていた室長は、だいぶ前から社長室にいる。
何を話し込んでいるのかはわからない。
ずっと休んでいた佐伯さんは今日から復帰していたし、社長と佐伯さんの方の問題は無事に解決したのだと思う。
「まだかかるのかな……」
どうも落ち着かないので、フロアの中を腰の後ろに手を組んで散歩のように歩き回っている。
すると、社長室の方から扉が開く気配がして振り向くと。
「悪い。少し遅くなった」
少しお疲れ? と思ってしまうほどアンニュイな雰囲気を纏って室長がやって来た。
「いえ、大丈夫です。そんなに待ってませんよ。社長とのお話はもういいんですか?」
「ああ、まあ……。それじゃ、こっちへ来てくれないか?」
「え、あの……?」
私を促し向かうのは室長の執務室とは違う社長室のある方向。
室長は迷うことなく進むけど、私は社長に用があるわけではないので躊躇していると。