敏腕室長の恋愛遍歴~私と結婚しませんか~
カウンターで私と藤堂さんの間にいる二人はやや年上と思われ、私に近い席の男性はスリーピースのスーツにキラキラ眩しい腕時計という時点でハイスペックな空気を漂わせている。
しかもこの人も、さらにその奥の男性もタイプは違うけどとても洗練された紳士といった感じで、もし一緒に飲もうと言われたら私なら断らないと思う。
そして今ごろ気付いたけど、ここの店員さんの男性2人のどちらもかなりのイケメンの部類に入るだろう。
でも奥にいる室長がどうにも眩しすぎて皆さんが霞んでしまうのが惜しいけど。
何だろう、私って今イケメン遭遇率高すぎじゃないかな。
「失礼します。こちらがおすすめかと……。軽い口当たりで飲みやすいと思いますよ」
「あ……、ありがとうございます……」
室長をメインに周囲の観察をしていた私の前に、スッと差し出されたグラスには淡いグリーンが綺麗に映えている。
明らかに美味しそうな柑橘系の香りが鼻孔をくすぐり、一口飲めば口の中には爽やかな甘さが広がって。
「……美味しい!」
もう単純にその一言に尽きる。
あまりの美味しさに、一瞬室長が奥にいることを忘れそうなぐらいテンションが上がってしまった。
そしてそんな私の姿を見届け、店員さんは「ごゆっくりどうぞ」と言って微笑み、カウンターの中央へと戻って紳士な男性と話し始める。
一口飲んでグラスを置くと、ほう、と自然に一息ついてしまった。