敏腕室長の恋愛遍歴~私と結婚しませんか~
「……ふ、ふふっ……結構強引ですよね、見た目と違って」
『あ、やっと笑いましたね。よかった、元気なさそうだったからお見合いの話が本当に嫌だったんだろうなって思ってて』
「……私、元気なかったですか?」
『はい。豪快な笑い声が聞けなかったので』
「そ、そんなに豪快だったんですか私……」
一体私は会食の時どんな笑い方をしていたのか。
というか特別おかしなことをした記憶がないので、普段からそういう笑い方なのかも。今度阿川さんに訊いてみよう。
「あの、私、今回のお見合いの話が嫌なわけじゃありません。ただ急だったので戸惑いはありますけど、嫌ではないです。むしろそんなお話をいただけるのは光栄だと思ってます」
『では、すんなり受けてもらえないのは藤堂さんが関係してますか?』
「っ……」
おっしゃる通りです、とはさすがに言えなくて言葉に詰まる。