敏腕室長の恋愛遍歴~私と結婚しませんか~

『……すみません。僕が口を挟むことじゃないのに。でもこれだけ言わせてください。藤堂さんは尊敬できる素晴らしい方で、容姿も申し分ないですが、僕も容姿ならそこそこいけてると思うんですが』

「え……」

『……なんて、調子に乗っちゃいました。すみません』

「ぷっ……、ふふっ、謝らないでください。じょ……、し、慎太郎さんは容姿もですがとっても素敵な方ですよ」

『そ、そうですか……。それに名前も呼んでくださって……。なんかいいですね。この調子で僕とも仲良くしてください。よろしくお願いします』

「あっ、こ、こちらこそ……」


特に疑問もなく自然とこう返して、電話を切ってからはっと気付いたけど、結局私は常務ーー慎太郎さんと友人になることを了承してしまっていた。

彼のペースにまたも乗せられてしまった結果だけれど、話している間は室長のことはあまり考えずに済んだし、何より彼はとても魅力的な人で、もし室長と出会ってなければきっと彼のことを好きになっていただろうと思った。
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