敏腕室長の恋愛遍歴~私と結婚しませんか~
「とにかく俺が心配してるのは彼女がお前に遊ばれることだ。わかってるのか?暁斗」
「わかってるさ。美緒は遊んでいいような子じゃない。真面目で……いい子だよ」
会話の内容はこれっぽっちも理解できないけど。
てゆーか『暁斗』って確か社長の名前だよね。『三原暁斗』うん、そうだ。
何で室長が社長を呼び捨てに?
え、室長と社長ってホントに兄弟なの?
あれ、待って、もしかして声は室長なのに別人だったりして。なんてめちゃくちゃ薄い可能性が頭を過るけど。
百聞は一見にしかず。
ホントに室長なのか確かめないと。
そう思ってドアの隙間を覗こうとした時ーー。
「あ、やっぱり。誰かいるような気配がしたんだよね」
ドアが勢いよく開かれ、執務室の明かりがまるでスポットライトのようにしゃがんでいる私に注がれる。
私を発見した社長はふふっと笑ってニコニコしているけれど、奥にいる室長は険しい表情で私を睨みつけている。
この状況でニコニコしてる社長の笑顔も怖いけど、普段無表情な室長があからさまに不機嫌と分かる顔も結構怖い。