俺がきみの一番になる。
やりかけの宿題に、開きっぱなしの参考書。野球に関する本や、お菓子のおまけについている野球選手のカードがたくさん置いてある。さらには、目の前に有名な野球選手のポスターが貼ってあった。
よっぽど野球が好きなんだね。
本田君らしくて、思わず笑ってしまう。
──ガチャ
「拓也ー、くるなら連絡しろっていつも言ってるだろ……って!?」
本田君が部屋にきた。入ってくるなり私に気づいて、目を見開く。そして、私も──。
「な、なんで裸なの!?」
とっさに手で顔を覆う。恥ずかしくて、ドキドキするよ。
「し、下はちゃんとはいてるっ! つーか、なんで柳内さんがいるんだよ?」
慌てたような本田君の声。私は指の間からチラッと本田君の様子をうかがう。
腕やお腹にしっかり筋肉がついて引き締まった身体。髪の毛から滴る水滴。お風呂上がりの本田君。そのどれもに、ドキドキが止まらない。
「さっき偶然ファミレスで会ってさー。亜子ちゃんが、どうしても草太に会いたいって言うから」
そう言ったのは私じゃなくて高木君。
「あ、亜子、そんなこと言ってない」
「えー、言ってたじゃん。恥ずかしがらなくていいよ」