俺がきみの一番になる。
「そんなところでボーッとしてないで、こっち来れば?」
「え? あ、うん」
笑顔の本田君に手招きされて、私はゆっくり足を動かす。
昨日のこと、謝ったほうがいいのかな。どうしよう。でも、このままだと気まずいし。なによりどういう顔をすればいいのかわからない。
「あの、えっと。昨日はごめんね」
「なんだよ、改まって」
「いや、逃げるように帰っちゃったから」
「べつに気にしてないよ」
「え? あ」
そうなんだ?
それならよかった。
正直、今日は本田君と顔を合わせにくかったから、なんだかすごくホッとした。
本田君は何事もなかったかのようにあっけらかんとしているし、私が思っている以上に気にしていなかったってことか。
とにかく、よかった。
それに、やっぱり昨日のことは冗談だったんだ。傷ついているように見えたのは、私の思い過ごしだったのかもしれない。
そうだと確信したら、モヤモヤしていた心が一気に晴れやかになった。
「柳内さんって、身長何センチ?」
「え、なに突然」
「いやー、チビだなぁと思って」
「なっ!」
チビって。
そりゃそうだけどさ、気にしてるんだからそんなにはっきり言わないでー。