俺がきみの一番になる。
本田君って、さわやかに見えて意外とズバズバ物を言うんだな。
「一五〇センチだけど、なにか?」
「うわっ、すげー! 俺と二十八センチ差!」
至近距離で上から本田君に顔を覗き込まれた。その顔にはからかうような笑みが浮かんでいる。本田君はチワワみたいに目がクリクリしていて、図体はでかいのにかわいい。
「ううっ。五センチでいいから、その身長をわけてほしいよ」
昔から小柄でチビの私は、背の高い人にとてつもない憧れがあった。チビで童顔だし、いつも年齢以下に見られてしまう。少しは大人っぽく見られたいのに、この身長がいつも邪魔をする。
「俺は好きだけどなー、柳内さんくらいの小柄な子。かわいいと思う」
「も、もう! またそんなこと言ってー!」
本田君って、実は天然で女たらしなんじゃないかな。そんなことを言われたら、誰だってドキッとするよ。
「はは、まぁ、柳内さんはそのままでいいんじゃね?」
「そのままでって、人ごとだと思ってー。身長が低いこと、わりと気にしてるんだからね」
なんだか本田君にはズバズバ言える。素の自分が自然と出てしまう。