俺がきみの一番になる。

「なんだと、このヤロー」

冗談っぽく笑いながら、軽いチョップを私の頭にお見舞いしてくる太陽。手がちょんと頭のてっぺんに触れた。

そういえば、いつもこんなノリだったなぁ。懐かしさがこみ上げて、胸の奥がキュッと縮まる感覚がした。

なんだか顔を見られなくて、とっさにうつむく。

それを悟られないように「もう、やめてよー」って私も冗談っぽく返した。

うん、大丈夫。ちゃんと笑えている。なんの問題もない。

「じゃあ、亜子はもう行くから」

最後まで笑顔で手を振って太陽のそばから離れる。私が歩き出したのを見て、本田君も後ろからついてきた。

身長差であっという間にとなりに並んだ本田君は、なぜだか真顔でこっちを見ている。

その視線は私の心の中を見透かしているようで、すごく気まずい。

でも、でも、私……。

「ちゃんと……笑えてたよね？」

大丈夫だったよね？

「へ？ あれで笑ってたつもり？」

本田君はキョトンとしてそんなことを言う。クリクリの目がまん丸く見開かれて、さらに大きくなっている。

「笑ってたよ、笑ってたじゃん！ とびっきりの笑顔だよ」

「どこがって感じ。柳内さんは誰にでもいい顔しすぎだし、無防備すぎるだろ。ヘラヘラして、バカみたい」

なぜだかムッとしている本田君。