俺がきみの一番になる。

本田君がいてくれてよかった。

「こいつら、マジで許せねーな」

本田君は冷ややかに男たちを見下ろす。

その横顔はやっぱりいつもの本田君じゃなくて、でもすぐに私に視線を向けて、今度は笑顔になった。

「無事でよかった。柳内さんになんかあったら、俺もっと切れてたかも」

「え……っ。十分怖かったけど」

「今日のは七十%くらいだよ」

「うそ」

あれで七十%?

本田君はどうやら、怒らせると怖いらしい。

でもそれ以上に、人のために一生懸命になって助けてくれる優しい人。

「立てる?」

そう言って手を差し伸べてくれる彼の手を掴んだけれど、足に力が入らない。でも、その手のひらはとても温かくて心地いい。

「あはは、腰が抜けちゃったみたい……」

こんなことって、本当にあるんだ。情けない、情けなさすぎる。

「大丈夫、俺がいるから」

えっ?

そう思った瞬間、本田君が素早く私の身体を持ち上げ、フワッと宙に浮いた。すぐそばには本田君の顔があって、身体がピタッと密着している。

「え、あ、あの……」

すごく恥ずかしいんですけど。

みんな、見てるんですけど!

「家まで送るよ」

でも、本田君はそんなことにはお構いなしに私に向かってにっこり微笑む。

「わ、悪いよ。それに、恥ずかしい……」

「でも、歩けないだろ?」

「そ、それは、そうだけど。でも、亜子重いし!」

「そういう時のために鍛えてるんだから、心配すんなって」

本田君は冗談っぽく笑いながら返してくれる。だけど恥ずかしすぎて、なんて言っていいのやら。

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