俺がきみの一番になる。

吐き捨てるようにそう言われて胸が痛んだ。

どうしてここまで言われなきゃいけないんだろう。私がなにをしたっていうの。

「誹謗中傷はよくないよ。最終的には自分に返ってくるんだから」

冷静な南野さんの声が響く。

「あんたには関係ないって言ってるでしょ! とにかく、二度と草太と仲良くしないで!」

感情的にそう言い残して、沢井さんは駆け足でこの場を去った。

「あんまり気にしないほうがいいよ。っていうか、口挟んじゃって余計なことをしちゃったかな? ごめんね」

「あ、ううん、助かったよ。ありがとう」

とっさに笑みを浮かべる。南野さんがいなかったら、今頃どうなっていたことか。

「ああいうのは私も経験があるから、ついつい首突っ込んじゃうんだよね。ムキになって言い返すと余計にこじれるし、なにも言い返さないとますますひどいことされるし、正論で言い返したら逆上されるし。結局どうやってもよくない方向に転ぶなら、正論言って堂々としてるほうがいいって学んだんだよね」

南野さんはかわいく笑いながらそう言う。クールなイメージだったのに、意外とよくしゃべるんだ。それに、ちゃんとした自分の考えを持っていて、しっかりしている子だな。

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