俺がきみの一番になる。

それから教室に戻って、授業が始まった。けれど、内容がまったく頭に入ってこない。

ウザいって久しぶりに言われたな。自分のことを名前で呼ぶのは、昔からのくせだからどうしようもない。

さすがにもうそろそろ直さなきゃダメかなぁ。でも自信ないや。ずっとこれできたんだもん。今さらどうにかなる気がしないよ。

でも、そんなことよりも……。

よく知りもしない沢井さんに、男好きって言われたことがすごくショック。

だって私のこと知らないよね?

話したこともないんだもん。それなのに、憶測だけでそんな風に言われるのは嫌だ。

出るのはため息ばかり。なんだか胸の中がモヤモヤする。

結局この日は、なんとなくスッキリしない午後を過ごした。

「柳内さん、今日暇?」

放課後になり、帰ろうとしたところで本田君に声をかけられた。いつもは一目散に部活に行く本田君だけど、今日は急いでいる様子がない。

「え、あ、暇じゃない、かな」

「そっか。部活がないから、途中まで一緒に帰ろうと思ったんだけど」

「ごめんね、今日は他校の友達と約束があって」

「じゃあ、校門までならいい?」
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