俺がきみの一番になる。
「はぁ」
お昼休み、なんとなく教室から出たくなくて、教室で一人お弁当を広げる。出るのはため息だけ。
結構ダメージ食らってるなぁ、私。こんなの、へっちゃらだと思っていた。でも、そう思いたかっただけで、実際にはすごくへこんでいる。
「ねぇ、思ったんだけど。沢井さんたちの仕業ってことは考えられない?」
ぼんやりしていると、同じく隣で一人でお弁当を食べていた南野さんが真顔でそんなことを言った。
「え、あ……」
たしかに、私もそう思った。でもちがうかもしれないから、口にするのは気が引ける。
「どうかな、まだわからないや」
「でも、もしそうなら教科書がないと困るでしょ。私から言って、返してもらおうか?」
「で、でも、証拠もないのに言えないっていうか。ううん、それよりも南野さんにそこまでしてもらうのは悪いし」
「こうなったのは、私が余計な口を挟んだせいもあるかもしれないし。放っておけないんだよね」
「そんな、南野さんのせいじゃないよ! 亜子が悪いんだよ。中学の時から、なんとなくいつも女子には嫌われちゃうの。だから、気にしないで」
パチッとした大きな瞳にシュッとした綺麗な横顔。南野さんはソツがない美人というか、目を奪われてしまう。