俺がきみの一番になる。
「最近様子がおかしいのも、そのせいだろ? なんで俺にはなんも言ってくんねーの?」
この様子だと本田君は、私が嫌がらせを受けていることに気づいている。でも私はそれを素直に打ち明けるほど強くない。
笑って……ごまかさなきゃ。
「もー、だからほんとになんでもないってばー! 本田君って、意外と疑い深いよね! あははっ……」
自分で言ってて頬が引きつる。こんな状況なのに、どうして笑っているんだろう。バカバカしくなってきた。
「ごまかしてんじゃねーよ」
責めるような目で見られて、ヒヤッとした空気が胸に流れこむ。息がうまくできなくて、苦しい。引きつった頬が痛い。
どうして私が責められなきゃいけないの?
「本田君には関係ないって言ってるんだよ! 迷惑なんだよ。しつこいんだよ! なんでもないって言ってるんだから、ほっといてよっ」
胸がズキズキヒリヒリする。息が……苦しい。頭がクラクラする。必死に酸素を取り入れようと、浅く速い呼吸を繰り返す。
動悸がしてきて、逃げ出したい衝動にかられる。気づくと私はその場から駆け出していた。
校舎の中に入って階段を駆け上がる。
「はぁはぁ……」
く、苦しい。