ボクは初恋をまだ、知らない。
真っ赤になってしまったボクを、

ポカーンと見てる啓介とるな。

「ツッキー今、めっちゃ可愛い……。」

るなにそう言われてボクは、

自分の服でまた隠れた。

「……千景、猫みたいだな。
隠れてないで、出ておいで?」

「勝手に再現するなぁあっ!!」

啓介が楽しそうに再現しだして、
ボクの手を引いて立ち上がらせた。

「目ェ閉じて、そん時の事思い出させな?」

るなの動画を起動させた音が聞こえた。

ボクはそのまま啓介に石壁の方に連れていかれ、

3回目の壁ドンをされてしまう。

「…教師を、からかうな。」

演技派な啓介が落ち着いた声で、
耳元で囁いてきた…。

ボクの脳裏にはふいに、

あの時の太陽先生の表情が出てくる。

「…………っっ。」

そーっと啓介を見上げると、

まさかの啓介までが顔を赤くしだして…


「……アンタら、何してんの?」


ふと、公園の入口から声がした。
ジャージ姿の薫が変な目で見てくる。

「啓介が壁ドン?……キモいんだけど。」


………《壁ドン 再現》は貶されて終わった。



< 63 / 106 >

この作品をシェア

pagetop