ボクは初恋をまだ、知らない。
公園に可愛いらしい小鳥のさえずりが聞こえる中、ボクら4人はお茶を飲んでひと息ついた。

「それで壁ドンしてたんだ?」

薫は呆れつつも笑いを堪えて体がプルプル震えてた。

「千景の頼みだぞ!?
初恋かもしれねぇから付き合ってやったんだよ!」

啓介が薫に必死に言い訳をしている。

「まぢ引いたわー。
啓介やらしい顔してひどかった。
めぐるちゃんにチクろうかしら…。」

「それだけはやめろぉー!!」

彼女にチクられるのは絶対に御免だろう。

ボクはただ、お茶を飲んでポーっとしている。

「啓介まで赤くなるなんて予想外だった。」

そんな事を言うと、るなが動画を再生して
ニヤニヤしていた。
るな得なのは、変わらない。

「ねぇ何で啓介も赤くなったのー?」

ボクが聞くと、啓介はチラリと目線だけでこっちを見て、また視線を戻して言った。

「…千景が女の顔してて可愛いかった。」

女の顔……??

「そりゃ一応、女だ!!
ちゃんと教えてよー!!」

薫がついに、吹き出して笑った。



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