ボクは初恋をまだ、知らない。
「千景あのねっ??
啓介はアンタに壁ドンした時に、
あまりにも可愛いウブな反応を見せたから
戸惑ったのよ。」

薫が楽しそうにそう言うと、
るなまで説明を加えてきた。

「そうそう!ツッキーを一瞬、
女の子として意識しちゃったって事!!
うふふふふー!何これ超るな得!」

「そうなの!?啓介!!」

「おまえら!俺でからかうなっ!!!」

啓介は抵抗するものの、
否定はしてこなくてボクも戸惑った。

「……そうなの?」

多分、今ボクは困った顔をしてる。

「千景、おまえは可愛いぞ……?
それはでも、昔からだ。
でも今回は、少し違う可愛さを感じた。」

違う可愛いさって何……?

確かに啓介は昔からよく、

"おまえは可愛いなぁーっ!!"

なんて言いながら頭をワシャワシャ犬扱いされたりしてたけど…。

訳が分からず考えてると、
啓介がやっと普段通りの顔つきに戻った。

「千景、おまえあのオレンジ頭の事、
好きなんだろう。」



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